蒸留家のための発酵理論
エステル化と香味分子
適切な条件下でアルコールと有機物が反応すると、香味分子(エステル)が生成されます。
レッスンの進捗を記録
無料でログインすると、受講状況が保存され、前回の続きから簡単に再開できます。
基本式(1):エステル化が香味分子を生み出す
風味の大部分が発酵で生まれるなら、意図的に風味形成を管理する方法が必要です。風味形成を謎ではなく化学として説明する、シンプルな式を使います。
このモデルでは、エステルを香味分子と捉え、その生成過程をエステル化と呼びます。エステルが何からでき、何がその生成を加速させるかを理解すれば、ウォッカ、ブランデー、ラム、ウイスキーの目的に合わせて発酵を設計できます。
要点
- エステル化とは、香味分子(エステル)が生成される過程です
- 液体中でアルコールと有機物が接触し、反応することでエステルが生成されます
- pH、温度、時間は、生成されるエステルの量と、どのエステルが主体となるかに影響します
- このモデルでは、pHが低いほど(酸性が強いほど)エステル化が加速します
- ウォッカでは通常、ウイスキーやラムよりもエステルを抑える方向で設計します
エステル化を一文で表すと
エステル化とは、特定の条件下でアルコールと有機物から香味分子が生成される過程です。
2つの原料:アルコールと有機物
この式は、アルコール分子と有機物分子という2つの原料から始まります。両者が液体中で反応すると、エステルが生成されます。すべてのエステルが同じように、同じ速さで生成されるわけではありませんが、基本的な方向性は明確です。
3つの制御要素:pH、温度、時間
操作変数は、pH(酸味/甘味)、温度、時間と考えてください。これらを使いこなすのに化学者である必要はありません。重要なのは、意図を持って調整することです。
pHを下げるとエステル化が促進される理由
pHは7を中性とする尺度です。数値が下がるほど(6、5、4、3…)酸性が強くなり、上がるほど塩基性が強く、甘味寄りになります。このモデルでは、酸性が強いほどエステル化が促進されます。つまり、pHを下げると風味成分が増える傾向があります。
それが望ましいかどうかは、目指す製品によって異なります。ウォッカのようなニュートラルな酒質を目指すなら、エステル生成を抑えるため、発酵を中性に近い条件に保つのが有効です。力強いラムやウイスキーを目指すなら、より積極的なエステル化が適しています。
要点
- エステルは、発酵中に生成される風味分子と考えてください。
- アルコールと有機物が、エステル化の主要な原料です。
- このモデルで主に調整するのは、pH、温度、時間です。
- pHを下げるとエステル化が促進され、風味成分が増加します。
レッスンの進捗を記録
無料でログインすると、受講状況が保存され、前回の続きから簡単に再開できます。