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アルコール度数戦略:収率と風味のバランス

収率と風味:発酵度数8%が有利になり得る理由

発酵時のABVを高めるとアルコール収率は向上する一方、最終製品の風味濃度を高めにくくなる場合があります。

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収率と風味:発酵度数8%が有利になり得る理由

濃縮倍率の考え方を用いて、風味豊かなスピリッツかニュートラルスピリッツかという製品カテゴリーに応じた発酵時のABVを設定します。

要点

  • 発酵時のABVが低い場合と高い場合で、濃縮倍率がどう変わるか
  • 風味豊かなスピリッツでは、7.5-8%が実用的な目標値となることが多い理由
  • 発酵時のABVを高めることが、ニュートラルな酒質の実現に有効な理由
  • 超低アルコール度数(ABV)が操業効率を損なう境界

基本原則

ここでは、アルコール度数について少しお話しします。以前、あるお客様から「素晴らしい酵母を見つけた」と聞いたことがあります。

「ベースワインを約13%まで発酵させられる酵母です」とのことでした。私は「それはかなり高いですね」と答えました。

「ウォッカを造るのですか」と尋ねると、そうではなく、ブランデーを造る予定だと言うのです。

クラフト蒸留家として、風味豊かなブランデーを造りたいとのことでした。そこで私は、「なぜ13%まで上げられることを、そこまで評価しているのですか」と尋ねました。

お客様は、「これは素晴らしい発見です。この酵母以外に、素晴らしいブランデー造りに必要な高いアルコール度数までワインを発酵させられるものはありません」と言いました。私は、アルコール収率の観点は理解できると答えました。

一般的な発酵目標である約8%と比べれば、13%ははるかに高く、アルコール収率も上がります。

しかし、収率や規模の経済、1リットル当たりのコストでは、大手アルコールメーカーにはかないません。するとお客様は、「この酵母は風味を生み出す能力にも優れています」と言いました。

私は、「酵母自体が優れている可能性はありますが、この製法は適切ではありません」と答えました。クラフト蒸留では、まず風味を整えることが最優先であり、アルコール生成はその次です。

風味が第一、アルコール収率は第二。この考え方には、どのような利点と欠点があるのでしょうか。

実践ではどう機能するのか

たとえば、同量のエステルを含む2種類のベースワインを造るとします。量も同じで、含まれるエステル量も同じです。これを蒸留します。

どのような工程を経るにせよ、最終的には、たとえばアルコール度数40%でボトリングします。この場合、濃縮倍率はいくつになるでしょうか。

では、エステルは何倍に濃縮されると考えられるでしょうか。元のワインとエステルの総量は同じですが、こちらでは濃縮倍率が3倍にしかなりません。

5倍と3倍の差は、一方の製品に約66%多くの風味成分が含まれることを意味します。これは「こちらの方がおいしい」といった主観的な評価ではありません。エステル量として、CNG分析装置にかけ、風味分子がどれだけ含まれているかを実際に測定できます。

その酵母が特定の風味を生み出す能力に優れている可能性はありますが、それは検証が必要です。いずれにしても、この66%の差を埋められるかは疑問であり、非常に難しいでしょう。

ここで押さえてほしい点はシンプルです。重要なのはアルコールの収率ではなく、風味の収率です。そして、この2つの間にはバランスがあります。

ただし、これは相反する関係です。発酵時のアルコール度数が高いほど、得られる風味の濃縮度は低くなります。反対にアルコール度数が低いほど、たとえば最終的に40%でボトリングする際の濃縮倍率は高くなります。

これは興味深い点です。低いアルコール度数を目指すと、発酵にはより長い時間がかかります。しかし、2%から40%にすれば、濃縮倍率は20倍になります。

よくある間違いと判断のポイント

問題は、2%から最終的なボトリング度数の40%まで高めるには、非常に多くの蒸留作業が必要になることです。つまり、多額のコストと手間がかかり、どこかで採算が合わなくなります。

8%前後が最適なポイントです。風味豊かな製品を造るなら、7.5~8%はクラフト蒸留家にとって理想的です。一方、ウォッカを造る場合は考え方が異なります。

ウォッカのように風味を抑えたい場合は、アルコール度数の高いベースワインを使用します。ウォッカになるまでの濃縮倍率が低くなり、それに伴ってエステルや風味分子の濃縮度も低くなるためです。ウォッカには、アルコール度数の高いベースワインを発酵で造りましょう。

ブランデーやラム、ウイスキーなど、風味豊かな製品には、アルコール度数の低いベースワインを発酵で造ります。iStill本社でiStill Universityの講座を受講し、この考え方を取り入れて、意図的に5.5~6%を目標にしているお客様もいます。今この内容を学んだ皆さんも、実践できるでしょう。

また、糖の収量を最大化するよう改良されていない、古い品種の大麦をあえて探すお客様もいます。糖の収量は、アルコール収率に直結するためです。

この基礎をさらに深めるには、風味優先のABV設計とニュートラルウォッカの要件を比較します。へ進んでください。

要点

  • 発酵時のABVが低い場合と高い場合で、濃縮倍率がどう変わるか
  • 風味豊かなスピリッツでは、7.5-8%が実用的な目標値となることが多い理由
  • 発酵時のABVを高めることが、ニュートラルな酒質の実現に有効な理由
  • 超低アルコール度数(ABV)が操業効率を損なう境界

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